アロエの葉には、二つの薬の歴史がある
共有
厚い葉の中にある透明なゲル。その外側にある、苦い液を含む部分。アロエの薬用の話がわかりにくいのは、同じ一枚の葉から、違う材料を取ってきたためでもあります。
皮膚に使うアロエ、便秘に使うアロエ
米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)は、アロエが古代ギリシャ、ローマ、バビロニア、中国で使われ、皮膚の不調や傷の手当てに役立つと考えられてきた歴史を紹介しています。これはアロエ類についての記録で、古代の利用がすべて現在のアロエベラと同じ種だった、とまでは言えません。[1]
一方、便秘の薬に用いられてきたのは、葉から出る液を乾燥させた材料です。欧州医薬品庁(EMA)は、アロエベラの別名であるAloe barbadensisなどに由来する乾燥液汁を扱い、一時的な便秘に対する短期間の医薬品用途をまとめています。透明なゲルと、この液汁を同じものとして読むと、用途を取り違えてしまいます。[2]
現在の研究でも、使う部分で結果が変わる
NCCIHの整理では、アロエゲルを皮膚に使う臨床研究に、やけどの治癒を早めたり、痛みを軽くしたりする可能性を示すものがあります。ただし、研究で使うゲル製剤と、家で切った生葉は別です。古くからの手当てを、そのまま自分で再現するための情報ではありません。[1]
葉の外側に由来するラテックスには、腹痛や下痢などの問題もあります。米国では2002年、安全性データの不足を理由に、一般用の便秘薬からアロエラテックスを除く対応が取られました。植物を丸ごと安全なものと考えるのでなく、どの部分を、どんな製剤にしたかが問われてきたのです。[1]
多肉の葉を、人は選んできた
キュー王立植物園の研究では、アロエ類の薬用利用は、大きく、よく発達した多肉質の葉を持つ種類に偏ることが示されました。アロエベラの原産地をアラビア半島とする系統解析も報告されています。[3]
乾燥地で水を蓄えるための厚い葉から、人はゲルを取り、液汁を集めてきました。アロエの歴史は、その一枚を使い分けてきた歴史でもあります。
出典
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米国NCCIH|Aloe Vera
古代の用途、ゲル・ラテックス・全葉の区別、外用ゲル研究、ラテックスの副作用と2002年の米国での措置。
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欧州医薬品庁|Aloes folii succus siccatus
対象植物と乾燥液汁の定義、短期の便秘治療に用いる医薬品の評価。食品やCODE製品の評価ではない。
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キュー王立植物園|Medicinal properties of succulent plants
研究者によるアロエ類の系統と薬用利用の紹介。アロエベラの原産地、多肉質の大きな葉と薬用利用の関係。
植物の歴史と研究を扱う読み物です。CODE製品の効能を示すものではありません。