月桃の葉は、餅を包み、香りを残す

月桃を知るなら、まず餅の包みを開くところから。沖縄のムーチーは、大きな月桃の葉で生地を包んで蒸すお菓子です。食べ終わった葉にも、厄払いの役目がありました。

食べたあとの葉を、軒先へ

沖縄では月桃をサンニン、葉をカーサーと呼びます。旧暦12月8日に作るカーサームーチーは、家族の健康を願い、神仏に供える年中行事の食べ物。もち粉をこねた生地に、黒糖や紅芋などを加える家庭もあります。[1]

農林水産省の郷土料理の記録には、蒸したあとの汁を家の周囲にまき、包みに使った葉を十字形に結んで、入口や軒先に下げる風習も載っています。餅を食べれば役目が終わるわけではありません。月桃は食卓と、家を守る祈りの両方に使われてきました。[1]

葉の香りと、茎まわりの繊維

月桃はショウガ科の多年草です。茎のように見える部分は、葉の付け根が重なってできた偽茎。熊本大学の植物データベースには、この葉鞘の繊維を紙や衣料の材料にした利用が記されています。葉から取り出す精油は、香水、石けん、防虫剤などの原料にもなります。[2]

包む葉、繊維を取る葉鞘、香りを取り出す精油。一株から得るものは、使う部分と手を加える方法で変わります。月桃が生活に入り込んでいるのは、お菓子だけではないのです。

葉の精油を、実験室で調べる

2015年の研究では、タイリン月桃とシマ月桃の葉から得た精油に、試験管内でラジカルを消去する抗酸化活性が認められました。また、メラニンを作るマウス由来の培養細胞では、メラニン生成を抑える働きも報告されています。人の肌への効果は、この実験からはわかりません。[3]

昔から使われてきた葉を、現在の研究では精油や成分に分けて調べている。ムーチーの包みと実験室の小瓶は、同じ月桃の葉から始まっています。

出典

  1. 農林水産省|カーサームーチー 沖縄県

    旧暦12月8日の行事、葉で包む調理、葉と蒸し汁を使う厄払いの風習。

  2. 熊本大学薬学部|ゲットウ

    ショウガ科、偽茎と葉鞘、繊維・葉の精油の用途。

  3. Tu・Tawata(2015)|2種類の月桃の精油を調べた研究

    葉の精油の抗酸化試験、B16F10マウス由来培養細胞でのメラニン生成抑制。人での効果を示す試験ではない。

植物の歴史と研究を扱う読み物です。CODE製品の効能を示すものではありません。

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