桜の薬になる部分は、花びらではなく樹皮だった
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桜を見るとき、目は花に向かいます。けれども薬用に使われてきたのは、幹を覆う樹皮です。桜皮と書いて、おうひ。花見の木には、生薬としての名前もありました。
桜皮は、皮膚の薬に配合されてきた
熊本大学薬学部のヤマザクラの解説は、樹皮を桜皮という生薬にし、十味敗毒湯に配合する用途を紹介しています。皮膚の化膿やかゆみなどに用いられてきた処方です。ここで扱うのは複数の生薬を組み合わせた漢方薬であり、桜の花を食べたり、樹皮を自分で煎じたりする話ではありません。[1]
桜皮を配合した処方の記録がある一方、花そのものを同じ薬として扱っていたわけではありません。花見のときには目立たない樹皮が、薬の材料として選ばれていたのです。
桜餅の香りは、葉を加工して生まれる
葉の使い道としておなじみなのが桜餅です。塩漬けにした葉の香りには、クマリンという成分が関わります。熊本大学の説明では、葉にある配糖体が酵素で分解され、クマリンが生じます。[1]
花を眺める、樹皮を薬にする、葉を塩漬けにする。人は桜の違う部分に手を加え、それぞれ別の目的で使ってきました。桜餅の香りも、その加工から生まれたものです。
葉の抗酸化成分を取り出した研究もある
2011年には、サクラの葉から抗酸化物質を特定する研究が発表されています。ソメイヨシノの葉を50%エタノールで抽出し、成分を分けて調べたところ、その条件で測った抗酸化活性の大部分にクロロゲン酸が関わることがわかりました。[2]
これは、葉の中のどの物質が反応しているかを調べる実験です。桜餅を食べた人や、桜を原料にした製品を使った人の体の変化を測ったわけではありません。薬用の樹皮と、香りや成分を調べる葉。花の季節が過ぎても、桜には使われてきた部分が残ります。
出典
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熊本大学薬学部(1999年4月)|やまざくら
樹皮を桜皮として十味敗毒湯に配合する用途、葉の加工とクマリン生成。現在の製品選択や治療指示としては用いていない。
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井之上ほか(2011)|サクラ葉中の抗酸化物質の単離
ソメイヨシノ葉の50%エタノール抽出物、クロロゲン酸とDPPH試験。人の健康効果を調べたものではない。
植物の歴史と研究を扱う読み物です。CODE製品の効能を示すものではありません。